あなたは誰??
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周りの生徒は何が起きたのかいまいち理解できていなかったが麗華がいないため玄関へと消えていった。


ただ光輝を除いて・・・


中庭に着いた2人はベンチに座った。


『今日はどうしたの?あんなに人に囲まれてたし。』


「実は昨日あのまま早退したから教室がわからなかったの。」


『そうだったんだ。じゃああの人だかりは?』


「私、今年の美女コンテストでグランプリをとったからたぶんその影響だと思うんだけど・・・」


『へぇー。じゃあ全国で1番綺麗なんだぁー。それよりとりあえず職員室行って君のクラス探そっか。』


そう言い今度は職員室へと向かう愁と麗華。


その時2人の手は固く握られていた・・・

あなたは誰??
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次の日、いつの間にか寝てしまった麗華はだるい体を起こし学校に着いたのだが、教室が分からない。


まぁクラス分けを見ずに帰ったのだから当たり前なのだが・・・


そしてここで名も知らない彼と再び出会うことになる。


麗華が立ち止まっていると生徒が麗華を一目見ようと囲むように集まってきた。


突然のことに驚き俯いていると


『今度はどうしたの?』


と聞き覚えのある声が・・・


そして人混みが嫌いな愁は


『とりあえず中庭に行こっか。』


といい麗華の手を取り生徒の輪から離れ中庭へ消えていった。


そんな一部始終を光輝が見ているとも知らずに・・・

第2章 あなたは誰??
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麗華はそのまま早退手続きを済ませ自宅で考えこんでいた。


人見知りをするはずなのに初対面でも話せた愁の存在。


そして光輝の告白を即答で断ったこと。


今までコンテストでグランプリをとってから男の人から告白をされることが増えていた。


でも光輝みたいな真っ直ぐな告白は初めてだった。


そして過去の恋愛を思い出し悲しくなったのにそんな気持ちが愁によって和らいだことの不思議さ。


麗華はこの日タイプの違う2人に興味を持った。


だがまさか学年もクラスも同じだとはこの時は知る由もなかった。

~入学式~
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声をかけるといつもとは違い悲壮感たっぷりな様子で元気もなかった。


『学校始まったばっかなのになに暗いオーラ出してんだよ。それじゃあ女寄ってこんぞ。』


と普段と違う光輝を必死に励ます愁。


「もう学校なんかいいや。」


『お前しか教室にいないし何かあったんか?』


「実は俺、さっき生まれて初めて告白したけど振られた。この学校のタメでさ


全国NO.1になった女がいるって知ったからこの学校に入ったのにもう用済みだわ。」


『でもまだ女なんか腐るほどおるやん。そんな暗いオーラ出したら光輝らしくないぞ。いつもの俺らの逆やんか。』


「そやな。やっぱ愁がおると楽しいわ。お前も高校では彼女作ったり遊びまくったりしろよな。」


だんだん話していくうちにいつもの光輝に戻っていったので愁は安心した。


だが麗華への愁の気持ちの変化によって次第に光輝と愁の距離は遠のくこととなる。

~入学式~
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話しこんでいたら知らぬ間に入学式が終わったらしく生徒が教室へ向かうため中庭に向かってきた。


さすがに2人で話していたのがバレるとまずいと思った愁は一目散に教室へと走っていった。


またもや中庭で1人になった麗華だが気分は少し和らいでいた。


「そういえば初対面の人に身の上話を話したのは何年振りかしら。


名前も学年さえも知らないあの人はどこか暖かみを感じる人間だったわ。またお話しがしたいわ。」


とつぶやき他の男と何か違う愁にもう惹かれていたのかもしれない。


一方愁は掲示板で自分のクラスを確認し、自分の教室へと向かった。


そして自分の教室に近づくと見慣れた友人の後ろ姿が目についた。


光輝がなぜ教室に1人でいるのか疑問だったが普通に声をかけた。

~入学式~
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『それよりどうして君は泣いていたの?』


バレないように俯いていた麗華に問う愁。


「実は私ここでたった今告白を断ったばっかなの。その理由がね元彼との恋愛をまだ忘れきれてないからなんだ・・・
私好きでもない人と付き合うなんて嫌だし・・・そんな自分がバカらしく思えてきて涙が溢れたみたい。」


とおどけた表情で話す麗華。


そんな麗華とは違い真剣な表情の愁。


『バカらしいことなんかないよ。そこまで相手を想うってすごいことだと思う。僕は今までそこまで思える恋愛をしたことないしね。』


と一瞬切なさそうな表情を見せた愁の横顔が麗華の心に染み入って家に帰っても頭から離れなかった。

~入学式~
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入学式の最中に中庭のベンチに座っていることにお互いが違和感を覚える。


そして互いが互いの存在を意識しはじめ
ベンチの距離が縮まっていく。


「あなたはなんで中庭にきたの??まだ入学式の途中でしょ??」


と、先に口を開いたのは麗華だった。


すると愁は照れくさそうに


『恥ずかしいんだけど校舎が広すぎて迷ったんだ。そして歩き回ってたら中庭についてた。』


そんな予想外の言葉を聞いた麗華は気品のある笑みをみせ笑っていた。

~入学式~
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光輝が中庭から去り1人取り残された麗華。そして麗華は・・・


「またあの人と比較しちゃた。ずっと引きずって私バカだ。」


と、つぶやき美しい瞳から一滴の涙を流した。


こんな心境で入学式に出ようと思うわけもなく中庭のベンチに座った。


そこに親友が告白をしたなど露知らずさまよい歩いていた愁が中庭にやってきた。


歩き疲れた愁は一休みするために麗華の隣のベンチに座った。


このベンチでの麗華との出会いから愁は初めて人を好きになることを知っていく。


そして麗華も他の男と何か違う愁に惹かれていく。

~入学式~
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愁が体育館を探しさまよっているとき同じ学園内の中庭では・・・


「俺は君を見た瞬間に一目惚れしてしまった。よかったら付き合ってください。」


と、告白したのは愁の親友である光輝。


お相手はというと美女コンテストでNO.1に輝いた経歴を持つお嬢様の麗華だ。そんな麗華のお返事は・・・


「ごめんなさい。私好きな人がいるんです。だからあなたの気持ちには応えれません。」


と、即答。


こう見えても光輝は今まで自分から告白をしたことがない。


告白をする必要がないのだ。


スポーツも勉強もできて背も高くカッコいい。


だから女が逆に告白をしてくる。


そんな光輝の初告白は無惨にも即答で幕を閉じた。


プライドが高い故、光輝は目の前の現実を認めたくない思い一心で逃げるようにその場を去った。

~入学式~
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そして今日は入学式。


なのだが早くもピンチ到来。


この学園、広すぎて体育館がどこにあるのかわからないのだ。


しかも高1にもなって迷子とかすごい恥ずかしいし。


さぁどうする。


とりあえず遅刻覚悟でさまよってみるか。


と、このあいまいな判断が愁にとってかけがえのない出会いをよぶことになる。


それはもう少し後のお話し。

第1章 出会い ~入学式~
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今日から僕(手塚愁)は龍華学園に入学する。


小・中と何の取り柄もなく無意味な毎日を過ごした日々とおさらばするために。


だから県下でも5本の指に入るほどの名門でお金持ち学園の龍華学園に入学しようと思った。


だが何の取り柄もない俺はもちろん勉強も普通で70点前後と平凡的。


受かることすら絶望的だった俺だが強い味方のおかげもあり入学できたのだ。


その味方とは幼稚園からの親友で加藤光輝だ。


こいつは昔から成績優秀、スポーツ万能でみんなの注目の的。


そんな俺とは対照的な親友が根気よく勉強を教えてくれたおかげで見事合格できた。

マドンナと僕
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この話の主人公手塚愁(テヅカシュウ)
性格:優しい
特徴:黒縁メガネの凡人
特技:空手


見た目も頭脳も普通で何も取り柄のない愁。


愁の幼なじみ加藤光輝(カトウコウキ)
性格:比較的自分勝手
特徴:スポーツ万能
成績優秀
特技:女をおとすこと


愁とは逆に見た目も頭脳も優秀でどこにいても周りがほっとかない存在な光輝。


全国NO.1に輝いたマドンナ五条麗華(ゴジョウレイカ)
性格:冷酷
特徴:お姫様
自分の思うことは何でも言う
特技:何でもできる


美女コンテスト全国NO.1に輝き全国から注目される女の子

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